Interview
with participating local government chiefs

参画自治体首長インタビュー

鹿児島県鹿屋市
中西 茂市長

鹿児島県鹿屋市 中西 茂 市長

MEYER PLOFILE

自治体鹿児島県鹿屋市
氏名中西 茂(SHIGERU NAKANISHI)
生年月日1953年5月1日
出身地鹿児島県鹿屋市
本事業開始日2020年8月
楽器寄附ふるさと納税に参画した理由を教えてください

本市には、市立の鹿屋女子高校があり、吹奏楽部が活動しています。
これまでは、同好会として活動をしていましたが、令和元年11月に部に昇格しました。これをきっかけに部員が増えることで、楽器が足りないという話は聞いていましたが、吹奏楽の楽器は高価なため、短期間で一度に購入することが難しく、十分に揃えてあげることができませんでした。そのため、足りない楽器を他校や地域の消防組合から借りて演奏しており、子どもたちにはかわいそうな思いをさせていました。
そのようなときに、ふるさと納税の新しい形である楽器寄附ふるさと納税という制度を知り、この制度であれば子どもたちに楽器を揃えてあげられるのではないかと思い、参画することにしました。

実際に楽器寄附ふるさと納税を取り組んでみた感想を教えてください

実際に取り組んでみて、これだけ多くの反響をいただいたことに驚いています。
取組を始める前は、どれぐらい寄附していただけるのか、またどのような状態の楽器が寄附されるかなど不安はありました。
しかしながら、この新しい取組を地元のテレビや新聞でも取り上げてもらい、非常に多くの楽器を寄附していただきました。楽器の状態もとても良く、寄附者の方が大切にされていたのが分かるものばかりでした。それだけではなく、この制度を利用せずに直接楽器を寄附してくださる方もおり、女子高の生徒を応援したいという気持ちを改めて実感しました。
寄附していただいた方の気持ちに応えるため、子どもたちも練習を頑張っており、できるだけ早く寄附された楽器の演奏を聴いてもらいたいというモチベーションが高まっていて、良い相乗効果が生まれています。
ただ単に自治体が楽器を購入しても、このような効果はなかなか得ることはできないと思います。寄附というかたちで応援してくれる人たちの思いを感じることができたからこその効果だと思います。

楽器寄附ふるさと納税の特徴はどんなところにあると思いますか?

寄附者からこれまで大切にしていた楽器とともに「もう一度この楽器を蘇らせてもらいたい」「必要な人に使ってもらい、音色を出してもらうことで、楽器もうれしいと思います」というメッセージをいただいております。
使われずに眠っていた楽器が必要としている人のもとで、もう一度楽曲を構成する音を奏でることは、SDGsを目指す今の時代において非常に大切な事だと思います。
また、このように一人ひとりの想いの詰まったメッセージは、寄附した人と寄附された人の気持ちを繋げることになると思います。
こういう繋がりをつくり、深めることが、楽器寄附ふるさと納税の特徴だと思います。

本事業は寄附者様を関係人口に繋げる目的もありますが、いかがお考えですか?

先ほども触れましたが、子どもたちは早く上手になって、寄附してくれた方を演奏会に招きたいと言っています。コロナ禍の中で難しい状況ではありますが、様々な方法を検討してもらい、実現できると期待しています。そこで顔を合わせることがとても重要であり、子どもたちは寄附された方に感謝の気持ちを持ち続けながら演奏をすると思います。
こういった関係は濃く深い関係であり、一過性で終わらず、今後もずっと続いていくのではないかと思います。

鹿屋市では関係人口創出を目的とした他の事業展開はありますか?

人口が減少する中、本市の地域特性や地域資源を生かして、他地域と差別化を図った交流人口や関係人口の創出を目的とした取組は、非常に重要なことだと思います。
このため、本市では、鹿屋市ふるさと納税のサイトから会員登録をして、本市の取組を応援していただく「かのやメンバーズクラブ」という事業に取り組んでいます。
また、平成27年から、都市部の中高生が本市の抱える課題に対し、解決に向けた提案を行う「かのや100チャレ」という事業も行っています。先日も、コロナ禍のためにリモートではありましたが、鹿屋市の戦争遺跡とその歴史を次の世代に引き継ぎ、平和の尊さと命の大切さを全国に発信するため、様々な提案をいただく発表会を開催しました。この発表会は、みんなで地域課題の情報を集め、1つの考えにまとめることから、教育的にも非常に高い評価をいただいているところであり、多角的な視点から整理された提案に感心いたしました。最優秀賞の学校は、本市へ招待し、より身近に感じてもらうことで、関係人口の創出にも繋がっています。
その他にも「ふるさと会」の取組があります。関東や関西のふるさと会の皆様には、様々な機会を通じて本市を応援していただいていることから、広報誌の配付など、定期的な情報提供を行っており、市外から応援してもらう「第2の鹿屋市民」を増やす取組を行っています。

鹿屋市について教えてください

本市は、豊かな自然が広がっており、この恵まれた環境の中での農業が基幹産業となっています。本市の農業産出額は、全国1,741ある自治体の中で第9位となっており、その中でも牛、豚、鶏の産出額は第3位と全国トップレベルです。本市の年間出生数はおよそ1,000人弱ですが、1年間で生まれる牛の数は1万2,000頭と、約12倍になります。また人口10万人に対して、豚は24万頭と倍以上の数になります。また、錦江湾では、カンパチの養殖業も盛んであり、まさに「食の宝庫」と言えると思います。
観光地としては、日本最大級の「かのやばら園」や「吾平山上陵」といったパワースポットなどが有名です。
また、鹿屋には海上自衛隊鹿屋航空基地がありますが、戦時中には鹿屋に3つの基地(鹿屋・串良・笠野原)があり、鹿屋及び串良基地から多くの若人が特別攻撃隊員として南の空へ飛び立ち、二度と本土の土を踏むことができなかったという悲しい歴史があります。今年で終戦から75年が経ちますが、この歴史と平和の尊さを発信するため、海上自衛隊鹿屋航空基地周辺の戦跡を巡るツアーの誘致や平和の尊さをこの地域から発信する平和学習ガイドの育成など、戦跡の活用・保存をしながら、様々な取組を展開しています。
このように、日本有数の産出額を誇る食材や観光スポット、戦争遺跡を通じた平和学習の実施など、本市の地域特性を活かしながら、今後も全国に向けて発信していきたいと考えています。

自治体の方からのご質問等につきましては、お電話または下記フォームよりお問い合せください。
楽器寄附ふるさと納税実行委員会
運営事務局:0120-106-803

お問い合わせ・資料請求(自治体専用)