Interview
with participating local government chiefs

参画自治体首長インタビュー

長野県小諸市
小泉 俊博市長

長野県小諸市 小泉 俊博 市長

MEYER PLOFILE

自治体長野県小諸市
氏名小泉 俊博(TOSHIHIRO KOIZUMI)
生年月日1963年4月18日
出身地小諸市
本事業開始日2020年7月
楽器寄附ふるさと納税に参画した理由を教えてください
私が市長に就任してから学校教育には重きを置いていますが、楽器の購入まで予算を十分には回せていない現状がありました。

小諸市では近年「音楽のまち・こもろ」を標榜し、まちじゅうに音楽があふれるようなまちを目指しています。全国で屈指の実力校もあり、子供たちは非常に多くの時間を練習に費やしているのですが、その分楽器の痛みも早くなってしまう現実もあります。本年度も各学校から楽器の購入や修繕に要する費用として、700万円ほどの予算要望がありましたが、実際に配分できる予算は50万円程度となってしまい、子供たちには不便をかけていました。
そこで楽器寄附ふるさと納税のことを知り、子供たちに楽器を届けるだけではなく寄附者の善意の気持ちを届けることで、より気持ちをもって演奏してもらえるのではと思い、参画することを決めました。

実際に楽器寄附ふるさと納税を取り組んでみた感想を教えてください
今までもご厚意で楽器を寄附いただくことはあったのですが、修繕が必要で残念ながら使用できないことがあり、せっかくのご厚意にお答えできないことがありました。
楽器寄附ふるさと納税では査定の段階で使える楽器のみが寄附になる仕組みになっているので、メンテナンスが不要で使える楽器が届くということが大変ありがたいです。
また、純粋に小諸市の子供たちを応援したいという気持ちから寄附をしていただいていることに感動しました。
楽器寄附ふるさと納税の特徴はどんなところにあると思いますか?

小諸市でも近年、通常のふるさと納税に力を入れ始め、多くの寄附をいただいております。数ある自治体の中から小諸市に興味をもって応援いただけることは非常に嬉しく感じております。
楽器寄附ふるさと納税でも数ある学校の中から小諸市の学校を選んでいただいているということ、また返礼品がないということからも「応援をしたい」という気持ちをより強く感じています。まさにこれは関係人口という範疇に足を踏み入れてくださった方々で、この出会いをきっかけに今後もつながりを強めていきたいと考えています。

なぜ音楽のまちなのですか?

小諸市は宿場町として栄え、昔から多くの芸術家が集まるまちでした。
明治時代には小諸義塾に「島崎藤村」が赴任し、小諸市で数多くの作品を執筆しています。戦時~戦後には俳人の「高浜虚子」、上を向いて歩こうの作詞家「永六輔」・作曲家の「小林亜聖」などが小諸市に疎開してきました。また、洋画家として有名な「小山敬三」や日本画家の「白鳥映雪」は小諸市出身であったりと、文化的なまちとして歩んできた歴史があります。
近年では県内唯一の音楽科がある小諸高校に、音楽に素養のある子供たちが集まり、毎年音楽家を目指す若者を多く輩出し、小中学校の吹奏楽部や合唱部は全国大会で日本一になるなど素晴らしい成績を収めています。
元々あった文化的なまちに音楽が加わることで総合芸術のまちになるわけです。文学・絵画・音楽が揃っているまちというのは、地方都市では珍しいと思います。
また、楽器寄附ふるさと納税を通じて、感動したり、新しいつながりができたりと、音楽が持っている力というのは、すごいと思います。
経済的に豊かになるまちというのも重要かもしれませんが、音楽があふれることで豊かになるまちを目指すことも重要だと思い「音楽のまち・こもろ」を掲げることにしました。

音楽のまちとしての取り組みを教えてください

今年で4年目になりますが、毎年作曲コンクールを行っています。学生を対象として、夕方の防災無線のチャイムの音楽を作曲してもらいます。グランプリ作品は1年間17時のチャイムとして実際に使用します。子供たちも自分の曲が流れることをすごく喜んでいて、1つの目標にもなっています。
また、音楽のまちを掲げる前から行っていますが、小諸高校音楽科を卒業したプロの音楽家の方に、小学校で40分の音楽授業を行っていただいています。声楽家・ピアノ・チェロ・フルートなどの奏者の演奏を生で聞いて、プロの音楽に触れてもらうことで子供たちになにか刺激になれば良いと思い、行っています。実際にプロの演奏を見る子供たちの目は真剣そのものです。
1年程前から毎月、プレミアムフライデーに市内のホールで学生・サークル・プロの方々による30分くらいのコンサートも行っています。普段なかなか直接聞く機会がない津軽三味線の演奏が行われることもあります。
最近では消防音楽隊のコンサートも満席になるなど、少しずつ市民の方皆様も音楽に関心をもっていただいて、それぞれの楽しみ方で音楽に慣れ親しんでいただいていると思います。
子供のときにしか感じることのできない感情や感覚があると思いますので、子供たちには、もっと気軽に音楽とふれあってもらいたいと思っています。

本事業は関係人口につながる目的がありますが、小諸市の関係人口創出の取り組みを教えてください
「小諸ふるさと市民」という制度を運用しています。会員になられた方にはメルマガを配信させていただくほか、ふるさと市民カードを発行させていただきます。カードを提示すると指定の観光施設が無料で利用できるほか、協賛店でさまざまなサービスを受けることができます。
小諸市は元々宿場町として栄えた歴史があり、昔から人・物・情報が集まりやすいまちで、ほかの地域の方々と交流することによってさまざまな化学反応を起こして発展してきた過去があります。
関係人口創出によって、市外の方と市内の方がつながることで、普段気づけない自治体の魅力や課題を市外の方に気づかせてもらうことがたくさんあると思います。市民の方にも小諸市の魅力を改めて知っていただくきっかけにもなると思います。歴史や文化など近隣にはないものがあるということに気づいていただくことで、子供たちにも自信や誇りを感じていただきたい。子供たちが輝くことで、大人たちも輝くことができる。私はそれこそが地方創生だと思っています。

楽器寄附ふるさと納税に今後期待したいことはございますか?

メンテナンスが必要な楽器を集めて、補修してそれを活用できるような仕組みがあれば良いと思います。そうすることで寄附したいと思っていただいた方々の気持ちも活かすことができると思います。
また、これは小諸市として取り組んでいきたいことですが、寄附をしてもらったことで生まれた「つながり」から、もっと小諸市に興味をもってもらい、応援してくださる方が増えていくような取り組みを行っていきたいです。
楽器だけではなく、同様の取り組みがもっと増え、広がり、地方創生へとつながっていくことも期待しています。

自治体の方からのご質問等につきましては、お電話または下記フォームよりお問い合せください。
楽器寄附ふるさと納税実行委員会
運営事務局:0120-106-803

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