Interview
with participating local government chiefs

参画自治体首長インタビュー

長崎県松浦市
友田 吉泰市長

長崎県松浦市 友田 吉泰 市長

MEYER PLOFILE

自治体長崎県松浦市
氏名友田 吉泰(YOSHIYASU TOMODA)
生年月日1964年3月8日
出身地佐賀県小城市
本事業開始日2019年10月
楽器寄附ふるさと納税に参画した理由を教えてください

松浦市には3つの中学校に吹奏楽部がありますが、どこも古い楽器を使っており、中には使えない状態の楽器もありました。保護者の方にも負担いただいたり、修理してなんとか使用を続けていました。
そのような状況が議会でも取り上げられ、新しい楽器を購入するべきではないかと議論されてきましたが、必要性は感じながらも、他の部活動とのバランスを考えるとなかなか予算措置をとることができずにいました。
子どもたちは市内のさまざまなイベントで活動もしてくれておりましたので、なんとかしなくてはいけないという思いはありました。しかし先立つものがなく苦慮していた中、担当者がこの楽器寄附ふるさと納税を探してきてくれて、これなら楽器不足の現状を解決できるのではと思い、参画を決めました。

実際に楽器寄附ふるさと納税を取り組んでみた感想を教えてください

最初はどのような楽器が寄附されるのか?また我々が求めている楽器が寄附されるのか?などの不安はありました。そのような中で最初に寄附されたのはとっても立派なチューバでした。チューバは高価で今まで高校から借りて使用していたので大変うれしかったです。
そのあとに寄附された楽器も全て状態がよく、寄附者の方がとても大事されていたのだという、楽器への想いを感じられるような素晴らしいものばかりでした。そして何より、子どもたちがうれしそうだったのが印象的です。ただ楽器が寄附されるだけではなく、想いや応援をしていただいていることが子どもたちもうれしかったのだと思います。

楽器寄附ふるさと納税の特徴はどんなところにあると思いますか?

通常のふるさと納税とは違い、自分の想いが形になって残っていくことだと思います。
今まで大事に自分が使っていた、あるいはお子さんや家族が使っていた楽器が寄附され、それが必要とされる学校に形として残る。これは寄附者の方にとっても、自治体への想いは通常のふるさと納税よりも大きく、繋がりを感じるのではないかと思います。
自治体や学校としても、楽器寄附ふるさと納税を通じて寄附された楽器が大事に引き継がれて残っていくことは、継続して繋がりを感じることができます。
まさにふるさと納税の本来の趣旨である「自分のふるさとを応援する、応援したい自治体に寄附するという」という姿そのものだと思います。

本事業は寄附者様を関係人口に繋げる目的もありますが、いかがお考えですか?

本来であれば小中学校音楽祭を毎年開催しておりますが、今年はコロナ禍で開催ができませんでした。しかし、楽器寄附ふるさと納税で寄附いただいた楽器や子どもたちに演奏の場を提供してあげたいという思いもありましたので、寄附をいただいた3校のみで合同演奏会を開催しました。
コロナ禍ということもあり、県内の寄附者の方のみのご案内になってしまいましたが、2組の寄附者の方にお越しいただけました。ご参加いただいた寄附者の方からは、「自分が寄附した楽器を子どもたちが使っている姿を見ることができ、とても感激した」と、お喜びの声をいただきました。このような、寄附した後の繋がりが生まれることはとても素晴らしいことだと思います。
一般的なふるさと納税も関係人口につながっていると思うのですが、自分が寄附したお金がどのような使い道になっているかをフォローすることはなかなか難しいと思います。楽器だとずっと使われて行くということが感じられるので、寄附者の方も自治体や学校への想いが強く残っていくのだと思いました。

松浦市では関係人口創出を目的とした他の事業展開はありますか?

現在行っているのは「いかりを揚げろ」というガバメントクラウドファンディングです。これは松浦市の沖あいで見つかった740年前に沈んだ元寇船の「木製いかり」を、寄附いただいた資金で引き揚げるプロジェクトです。寄附をいただいた方にはメンバーズカードを発行し、埋蔵文化財センターの入館料5年間無料や、引き揚げ船上見学ツアーなどに参加いただけます。これも寄附いただいたものが形として残るので寄附者の方も松浦市に興味を持ってもらいやすく、関係人口に繋がるのでは考えています。
その他には、平成15年から体験型旅行を誘致しています。これは中高生の修学旅行を受け入れ、民泊してもらい、漁業体験、農業体験、味覚体験などをしてもらうという事業で、今までで延べ30万人の学生が訪れています。帰るときには涙を流して帰るお子さんもたくさんいらっしゃいます。
人口減少が進んでいる過疎地域において、地域活性化には人の力が必要だと思います。しかし、少子化・過疎化で定住人口は減ってしまっています。そこで、このように関りを持った人が、来てくれるだけではなく、外から情報提供をしてくれたり、ふるさと納税で応援してくれたりすることで、活性化につながると思うのです。さまざまな人と繋がり、共感・協力してくれる人を増やすことが、過疎地域にとって持続可能性を追求してくうえで必要ことだと考えています。

楽器寄附ふるさと納税に今後期待したいことはありますか?

この活動自体を広げていってほしいです。全国にはまだまだ眠っている楽器があると思いますので、この活動を多くの方に知ってもらい、寄附していただく方が増えればと思っています。
それと同時に、本市のように、楽器に困っている子どもたちがいるけれども財源が限られていて楽器購入が困難な自治体もたくさんあると思います。活動が広がり、寄附者や参加自治体が増えることで、子どもたちの活動を支援してあげられると思います。
またそういった大人たちの行動を子どもたちが汲み取ってくれて、自分が大人になったときに、自分がしてもらったことをしてあげたいと思ってもらえる、そういった循環ができたら素晴らしいと思います。

松浦市について教えてください

まず、アジの水揚げ量は日本一です。松浦魚市場での「水揚げ量日本一」というのは以前からずっと掲げてきておりましたが、これだけでは全国的に認知してもらいづらいと思い、2019年の4月21日に「アジフライの聖地」ということを掲げました。この取り組みが全国で取り上げてもらい、日本地域情報コンテンツ大賞で最高賞をいただきました。
松浦魚市場にはサバも水揚げされ、メディアでも取り上げられた1缶1000円のサバ缶も作っています。
アジのように水揚げ量日本一とまではいきませんが、海の幸、山の幸どちらも大変豊富で、それに従事している漁業者、農業者のかたがたくさんいらっしゃいます。そういった方々への想いを込めて、松浦市としては「食のコンパクトシティ」ということをお伝えしています。
また、740年前に元寇があったときの遺物も多く残っています。皆さんご存じの「蒙古襲来絵詞」で描かれている、炸裂弾の現物が埋蔵文化財センターには残されています。また、先ほどお伝えした通り、いかりも揚げる事業も進行しておりますので、歴史にも触れることができる街でもあります。

自治体の方からのご質問等につきましては、お電話または下記フォームよりお問い合せください。
楽器寄附ふるさと納税実行委員会
運営事務局:0120-106-803

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